ゲームオンチ的レビュー「アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝」
誤解されている神ゲー「アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝」
私の思い過ごしでなければ「アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝」は、誤解されている。
なぜそう思うかといえば、プレイしたことのない人の大半が「アンチャーテッド」を、ただのTPS(三人称視点のシューター)だと思い込んでいるからだ。
プレイしたことのある人ならすぐにわかることだが、アンチャーテッドにおいて、TPSの要素はほんのごく一部に過ぎない。
アンチャーテッドが他のゲームと決定的に違うのは、全く違う要素のゲームがテンポ良く次々に現れて飽きさせないことと、プレイをやめさせない安っぽくも魅力的なストーリーにある。
特に、全く違う要素のゲームがテンポ良く展開されることが、このゲームの最大の魅力だ。
シューターとして銃撃戦を繰り広げるシーンなどは、その多彩なゲーム性のごく一部に過ぎない。
むしろアクションゲームとして壁をよじ登ったり、崖を飛び越えたりしている時間の方が案外長い。
簡単なパズルで謎解きしたり、どうやったら先へ進めるか色々な場所を探索したり、楽しいストーリーを眺めたりといったアドベンチャーな要素もたっぷりある。
急流を遡上したり、迫り来る爆薬満載の樽を避けたり、ジープで爆走したり車から車へ飛び移ってみたり、怪物に追われてホラーゲームな体験をしてみたりといった様々な要素がひとつになって、はじめてアンチャーテッドというゲームは成立している。
ゲームの中では嫌われがちなクイックタイムイベントさえも、アンチャーテッドの中ではゲームのアクセントとして良質に機能している。
要するにこれまでの名作ゲームのおいしいところをかき集めた、いいとこ取りのゲームなのだ。
しかもただのパクリゲームになっておらず、それがバランスよく最高のテンポでプレイヤーの前に提供されるのだから、いうことはない。
食べたいときに食べたいネタが出てくる寿司屋のようなもので、プレイを続けていて飽きない。
もちろんTPSとしてもアンチャーテッドは最高のゲームの一つだ。
建物の陰に隠れて銃弾の雨をかわすカバーアクションの採用はもちろん、やりがいがありながら難しすぎない初心者にちょうど良いバランスだと思う。
次から次に敵が出てくるところもあり、一見してアクションゲームをやったことがない人には難しそうだが、まったくそんなことはない。壁に隠れていればそのうち体力は回復するし、イージーモードなら初心者でも楽しめる。(実際に私はアンチャーテッドがTPS初体験だったが、イージーモードは、ちゃんとたまには死ねるぐらいのいいバランスだと思う。ちなみに私はアンチャーテッド以前には、ゲーム自体ほとんどプレイしたことがない。)
弾がなくなる前には必ず武器が落ちているし、RPG(ロケット砲)やスナイパーライフルなどの使い場所もそろっている。
アサルトライフルが中心になりがちだが、二週目にはちょっと変わった武器で攻略してみるなど、やりがいもある。
時々落ちている宝を見つけるのも楽しい。
主人公ネイトと相棒サリー、ヒロインのエレナのやりとりに誘われるままにプレイしていれば、いつの間にか時間を忘れてプレイしてしまうだろう。
ちなみにグラフィックは確かに最新のアンチャーテッド3と比べると見劣りだが、顔がつるんとして若々しく、それはそれで面白い。
ただ、2作目の「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」と比べると、動作の挙動が不自然なのが気になる。
あと、「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」と比べて、一部に飛び移れる場所と飛び移れない場所がわかりにくいところがある。(時々凄いジャンプ力を発揮するくせに、ここに飛び移れないのかよ!と思うことがたまにある。)
とりあえず、ゲームオンチ的には人生を狂わせたこのゲーム「アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝」は、ゲーマーならぜったい避けて通るべきでないお勧めゲームと評価しております。
ちなみにIGNは2011年現在、「アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝」をプレイステーションのゲーム歴代12位にランクしている。(1位は「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」)
metacriticのメタスコア:88
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ムービーソース:UNCHARTED