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PCゲームのはじめ方:ゲーム用パソコンの選び方「パーツごとのスペック編」

PCゲームを始めるにあたって準備すべきパソコンのスペックを、パーツをひとつずつ具体的にご紹介 CPU.jpg 以前PCゲームのはじめかた:SteamホリデーセールでPCゲームデビュー!「パソコンはなにを買えばいいのか?」で、PCゲームのためのパソコン選びについて少しだけふれたのですが「この辺のパソコン買っときゃ間違いねーよ」などという戯言だけでは、世の中は誰も納得するはずもないので、今回はもう少しだけ詳しくゲーム用パソコンの各パーツやスペックについて述べていきたいと思います。 出来るだけ安くゲーム用パソコンを手に入れたい、やったことがないけれどゲームをやるならパソコンは自作してみたいという初心者の方に少しでも参考になれば幸いです。 パソコンはどのぐらいの性能を目安にすべきか? そんなもん諸説あるし、人によって違うだろうからググってやりたいゲームの推奨スペックみろよーーなどと言ってしまうと話にならないので、ここからは例によってPCゲーム歴が2年程しかない私が、2年間で知った気になった情報を大雑把に語ります。 まず考慮すべきは、次世代ゲーム機の登場が確実視されているご時世ですので、スペック的にあまり大きな妥協をするとあとで痛い目に遭いそうであるということでしょう。 まずなんといっても毎回登場する度にゲーマーを泣かせるクライシス3の発売が間近であり、今回もCryEngine 3という最新のエンジンで次世代スペックなグラフィックを実現しています。 Unreal Engine 4で開発中のゲームも既に発表されており、当然のことながら今年以降はある程度ハイスペックなゲーム用PCがなければプレイしたくてもゲームが動かないという事態が想定されます。 ゴージャスな3Dゲームがプレイしたければ、最低でもバトルフィールド 3ぐらいはストレスなくプレイ出来るスペックがあった方が無難でしょう。 ただし、ビデオカードの価格は年々急落しますので、初心者にとっては、いま高価でハイエンドなビデオカードを買うよりも、パワー不足を感じた時にビデオカードを新調する方が安く購入出来てより現実的だともいえます。 ゲーム用OS選び 最近はMacLinuxでプレイ可能なゲームも増えてきましたが、やはりここはWindows一択でしょう。 メモリやハードディスクの認識できるサイズに限界のある32ビットOSはハイスペックを要求されるゲーム用途では論外ですので、Windowsは必ず64ビットを選びたいところです。 いちいち詳しく説明はしませんが一部にはDirectX 10しかサポートしていないゲームも存在するので、Windows XP固執するのも避けるべきでしょう。 Vistaはないものとして、残る選択肢は64ビットのWindows 7か、Windows 8ということになります。タッチパネル式のモニターを利用するのであればWindows 8も悪くない選択肢ですが、まだまだ新しいOSでありWindows 8での動作が保証されているゲームが少ない現状では、Windows 7の64ビット版がベターな選択ということになります。 エディションはゲーム用途に限定する限りではHome Premiumで十分と思われます。 また、パソコンを自作するのであればもっとも安く合法的に入手可能なのはDSP版になります。 DSP版とは平たくいえばパーツとセットで販売されているものです。

ゲーム用モニタ選び 考慮すべき点は視野角、応答速度、画面サイズでしょうか。 暗闇の中を進みながら敵と戦うような場面が多くなるゲーム用途では、黒の再現性やコントラストなどが意外に重要になります。 モニター選びで良く語られる応答速度に優れるTNがいいか映像に優れるIPSがいいかという論争については一旦置くとして、映像の美しさを求めると高価になり、映像にこだわらなければ安いけれども応答速度には優れるということはいえると思います。 画面サイズについては大きければ迫力は増しますが、3D酔いしやすい方はモニターに近いPCゲームにおいてはあまり大きなサイズを選択しない方がいいかもしれません。ゲームのカメラの動きにもよりますが、27インチでは背景がくるくる動くようなTPSでは、画面に近いとかなり3D酔いし安くなると思われます。 ハイエンドであればSmart Insightを搭載したナナオ FORIS FS2333 23.0インチが応答速度も3.4msと最高クラスですので手堅いです。 大画面であれば、応答速度1ms、120Hz起動のiiyama PLG2773HS-GB1 E 27インチなどが価格も安くていいのではないでしょうか。

ゲーム用CPU選び 当然のことながら大きく分けてインテルAMDかということになるのですが、デュアルグラフィックスとか変態的発想を持たない限り、Core i3 3220とかFX-4300あたりが最低の選択肢になるのではないかと思われます。 極論ですがゲームにとってはCPUの性能を上げるよりビデオカードの性能を上げた方が性能の向上をはるかに実感できるはずですので、ゲーム用途に限っていえばCPUに割く金があるならビデオカードに割いた方がいいかもしれません。 注意する点としては、CPUにはLGA1155、AM3、AM3+などソケットの形状が決まっているので、購入にあたって形状の一致するマザーボードを選ぶことぐらいでしょうか。 価格で選ぶならAMDのFXシリーズ、ワットパフォーマンスで選ぶならインテルということになります。

ゲーム用マザーボード選び マザーボード選びにおいて、まずぜったいに確認しなければならないのはCPUのスロットの形状です。 CPUにはLGA1155、AM3、AM3+など様々な形状が存在しますので、一致するマザーボードを選んでください。 また、CPUに対応したチップセットを選ぶ必要がありますので、インテルで現在主流の第三世代Core iシリーズ(Ivy Bridge)であればZ77、Z75、H77、B75チップセットAMDのFXシリーズ(Bulldozer、およびその改良版のPiledriver)であればAMD9シリーズチップセットAMD 990FX、AMD 990X、AMD 970を選択することになります。 (※注:PiledriverコアのCPUをAMD9シリーズチップセットマザーボードで利用する場合は、現在のところBIOSのアップデートが必要になるケースが大半であると思われます。MSIのM-FlashのようにマザーボードBIOSをかんたんに更新する機能がついているとトラブルもなくたいへん楽です。その場合も事前にBIOSファイルをダウンロードしフラッシュメモリに展開しておく必要がありますので、注意が必要です。) スロットの形状やチップセット以外であれば、通常はオーバークロックのしやすさや、メモリやHDDがどれだけ増設可能かを検討すべきですが、ゲーム用途に限定した場合、重要なのはビデオカードを取り付ける位置がどこにあるか、ということになります。 具体的にはPCI Express 3.0 x16スロットの位置がどこにあり、その周辺になにがあるかの確認です。 ビデオカードというのは非常にやっかいなパーツで、場合によってはメモリやCPUクーラーなどが邪魔になって物理的に大型のビデオカードが設置できない、サウンドカードを挿すと2スロットタイプのビデオカードが設置できないということがあります。 本体サイズも大きくなってしまいますが、PCゲーム用のパソコンであれば、やはりMicroATXよりはATXの方が無難です。 世の中には3スロット占有タイプのビデオカードさえありますし、2本のビデオカードを挿すSLI、CrossFireなど、様々な用途が考えられるので拡張性はあった方がよいに決まっています。 個人的な感覚ですが、MicroATXではうまく配置できても22cmのビデオカードが挿せるかどうかではないでしょうか。 もちろん22cm以下のビデオカードも豊富に存在しますが、総じて高性能なビデオカードは巨大です。また、他のパーツの位置によっては22cm以下のビデオカードでもぜったいに挿せないという場合もあります。 サウンドカードやTVキャプチャボードも利用したいと考えているなら、MicroATXマザーボードを選択するのはやめた方がよいでしょう。 将来的にビデオカードを交換する際に選択肢を狭めないためにも、初心者にとってはATXマザーボードの方が無難です。

ゲーム用ビデオカード選び ゲーム用途のパソコンではもっとも重要なパーツになります。 PCゲーム用パソコンにおいては、本体価格の3分の1から半分はビデオカードの価格になるといっていいと思います。 当然のことながら、まずはマザーボードやケースに収まるサイズなのかどうかを検討しなければなりませんが、それ以外に特に注意すべき点はありません。 大きく分けてNVIDIA GeForceAMD RADEONの二種類がありますが、バトルフィールド3を目安にするとそれぞれ、GeForce GTX 650やRADEON HD 7750ぐらいは用意したいところです。 GeForce GTX 660かRADEON HD 7850が望ましいスペックです。 PCゲームビギナーであればRADEON HD 7750あたりでPCゲームをはじめてみて、スペックが窮屈になったところで価格が下落してきたGeForce GTX 670クラスに乗り換えてもいいですし、さもなければ最初からGeForce GTX 660ではじめて、出来るだけ引っ張るといった選択になるでしょう。 GeForce GTX 660は高性能ですが、RADEON HD 7000シリーズのワットパフォーマンスも捨てがたい魅力です。 ビデオカードを選ぶ参考基準として、目当てのゲームが最低でも30fpsで動作することが快適にゲームをプレイ出来る条件になりますが、モニタは通常60Hz=60fpsの表示レートですので、60fps以上で表示できてもオーバースペックということになります。 ですから目当てのゲームがフルHD、最高画質、60fpsでプレイ可能であればいうことはありません。 もしそれが実現できなくても、720pにするとか画質を落とすことで快適にプレイ出来るのであれば入門用ゲームパソコンとしては十分かもしれません。 グラフィックすげー!といって感動するのは、意外と最初だけです。


ゲーム用メモリ選び ゲームに適したメモリがあるのかどうかさえ知りません。 PC3-10600(DDR3-1333)よりはPC3-12800(DDR3-1600)の方が高速な分、きっとゲームにもいいのではないだろうかと想像するぐらいです。 たいして高くもないのででかいほどよいでしょう。8GBぐらいはあっても困りません。 通常はDDR3です。メモリインターフェイスはDIMM。SO-DIMMはノートや省スペースPC用なので間違って購入しないようにしましょう。 デュアルチャネルが望ましいので、同じ規格のメモリを二枚ずつセットで利用するのがよいでしょう。

ゲーム用電源選び ケースに付属の電源でもいいのですが、ゲーム用パソコンともなれば付属電源では出力不足になる可能性もあります。(というか、たぶん危険です。) ゲーム用途では基本的に出力はでかいほどよいといえます。高級ビデオカードを利用したり、HDDを増設する場合はとくにです。出力不足になるとPCは不安定になり、不意のシャットダウンやフリーズ、故障の原因にもなります。地味ですが意外に大事なところです。 電源は交流から直流に変換していますので、変換時にロスが生じます。80PLUS表記がある電源でも、変換効率が80%以上というだけのことですから、最大20%はロスしています。以上の理由で、400W必要なPCに500Wの電源をつけてはいけません。 パーツの組み合わせ次第ですが、少なくともゲーム用で500W以下の電源をつけるのはお勧め出来ません。650W以上が安心ではないでしょうか。 CPUやビデオカードの消費電力を計算し、一回りか二回り大きめを選んでおくぐらいがよいでしょう。サイズは通常はATXです。

ゲーム用ハードディスク選び HDDは2TBは欲しいところです。ゲームは年々肥大化し、価格も安いため2TBのHDDがゲームだけで埋まるのも決してめずらしいことではありません。 3TBも安くなってきましたが、増設用ならともかく、システムとして利用するのであれば3TBは初心者には敷居が高いです。 なぜなら3TBのHDDは従来のMBR形式では2TBまでしか利用できないため、MBR形式ではなくGPT形式でパーティションを作成する必要があり、そのためにはUEFIブートする必要があるため、まずはBIOSUEFIブートに設定しなければならないからです。 (いま読んだ文章の意味が理解不能であれば、3TBのHDDにWindows 7をインストールするのは諦めた方が無難です。) 通ぶってなんでもSSDにすればいいという風潮もありますが、ことゲーム用PCに限ってはSSDを使うぐらいならビデオカードに資金を回すべきです。 サイズは通常3.5インチです。インターフェイスは現在では当然のようにSATAですが、もし古いIDEのHDDがあまっているのなら、マザーボードや電源さえ対応していれば混在して利用してもまったく問題ありません。

ゲーム用光メディアドライブ選び ゲーム用途に限っていえばWindowsがインストール可能なDVD-ROMがあれば十分であり、安いほどよいでしょう。

ゲーム用PCケース選び でかくてメンテナンスしやすく、排熱のよいものがよいでしょう。意外とビデオカードというパーツはでかいということを忘れてはいけません。 あとは見た目と価格で選んで良いのではないでしょうか。 巨大で目立つものだけに見た目は大切だと思います。 大衆に必要なのは飾りです。偉い人にはそれがわからんのですよ。 色はブラック、ホワイト、シルバーの三色ぐらいしかなく、ブラックは埃が目立ち、ホワイトは汚れが目立ち、シルバーは傷が目立ちます。 素材はたいていの場合、アルミかスチール、部分的にプラスチックなどです。 選択にあたって、ATXマザーボードを購入したのにMicroATXのケースを購入するといった天然ミスさえしなければ大丈夫です。

ゲーム用マウス選び 個人的な感想ですが、無線は電池の重量が重すぎてゲームには不向きかもしれません。一昔前まではオプティカル派が優勢だったゲーミングマウスですが、もしテレビにPCを接続して利用するのであれば場所を選ばないレーザー無線マウスも有力な選択肢になります。 俊敏な動きが要求されるゲーム用途では、一般的には解像度(マウスを動かしたときにどれだけポインタが動くか)が高い方が望ましいです。ボタンは多いに越したことはありません。 ただし初心者なら500円のものでも問題ないかもしれません。(気にしない人は意外に気にならないようです。)

ゲーム用キーボード選び キーボードは別になんだっていいような気もしますが、複数キー同時押しを認識するNキーロールオーバーに対応していると便利かもしれません。(使ったことがないのでわかりません。) キーボードには一般的にメンブレン、メカニカルスイッチ、静電容量無接点、パンタグラフなどの方式が存在し、タッチ感がそれぞれ異なります。 好き嫌いは分かれますが、ゲームプレイに大きく影響するとは思えないので、おおむね普段の用途である入力しやすさをメインに選べばいいのではないでしょうか。 FPSRTSを本格的にプレイするのであれば、格好だけでもマクロキーがあったりするゲーミングキーボードにしてみるのも良いかもしれません。 小さすぎるものよりは、普通サイズのキーボードの方がいいでしょう。

ゲーム用コントローラー選び 以前書いた:PCゲームのはじめかた:コンシューマーゲームからの乗り換えには欠かせない「コントローラー」をご覧ください。 最後に、買い方 ゲーム用パソコンはなかなか高くて手が出ない、という方もいらっしゃると思います。 そこで私が提案したいのが意外に楽しい「デアゴスティーニ自作PC術」です。 なんと毎月ひとつパーツが届きます。(というか自分で毎月ひとつパーツを選んでAmazonで買うんです!) 半年ほどで無理なく、そこそこのPCが買えます。 ケース、キーボード、マウス、メディアドライブなどからはじめ、HDD、CPU、GPUなど値下がりしそうなものを後回しにした方がよいです。 ただし、このまま円安が加速するようなら、HDDやメモリは先に買うべきでしょう。 PCのパーツは不意に安くなることも多いので、見かけた瞬間に買ってしまうのがデアゴスティーニ式で安く仕上げるコツです。 パソコンの自作なんてとても無理、という方もいらっしゃるでしょうが、難易度的にはガンプラをつくるのと大差ありません。ガンダムやザクをつくったことがある方なら、問題なく組み立てられます。 組み立てにかかる時間も同じ程度でしょう。 セットアップもWii Uの方がよほど難しかったです。(Wii UのセットアップよりはUbuntuのインストールの方がよほど簡単です。はっきりいって任天堂は設置サポートをすべきでしょう。) 自作PCは同じ予算内でも自分が重視する機能にだけ重点を置いてつくれるというメリットがありますし、なによりも一定の評価のあるパーツを組み合わせてつくるので、一般的な安売りPCをカスタマイズするよりも安定して動作します。 何しろ自己満足していますので、後悔が少ないです。 今後、実際の組み立て方についても更新予定です。 長くなってしまいましたが、PCを自作しない方にとっても、今後のゲームパソコン選びの一助となれば幸いです。 関連: PCゲームのはじめかた:SteamホリデーセールでPCゲームデビュー!「パソコンはなにを買えばいいのか?」 PCゲームのはじめ方:パソコンでゲームを始める「メリット・デメリット」編