東洋経済の記者は国語が下手
まきかえ・す ―かへす 3 【巻(き)返す】
(動サ五[四])
(1)劣勢の状態から勢いを盛り返して反撃に転ずる。
「試合の後半に―・して勝利を得る」
参照:三省堂 大辞林
プレステ4巻き返しへの課題
栄枯盛衰の家庭用ゲーム機市場
山田 俊浩 :東洋経済 記者
参照:東洋経済オンライン
記事のタイトルを目にしたとき、何度も我が目を疑いました。
「ソニー巻き返しのシナリオ」的な記事なら何度も目にしたことがありますが、まさか発売どころか本体の姿も未確認、サービス内容も定かではない
PS4が、もう
「巻き返さなければならないほど失敗していたとは!」
もちろん、巻き返そうが巻き返すまいが、ゼロはゼロです。
だって1台も出荷していないのですから。
山田俊浩氏と
東洋経済はご存じないようですが、
PS4は劣勢どころか、まだ市場に出ていません。
市場に出ていないものが劣勢だと断じる山田俊浩なる不思議ちゃんキャラの
東洋経済記者は、自分が未来人だと信じているのでしょう。
さもなければ
「言うまでもなく、株価は未来を先読みする。」とかっこいいことを書く記者さんが、株価が急上昇中の
ソニーの
PS4が失敗していると断じる理由はありません。
見たことも触ったこともない商品を「失敗商品」だとこき下ろすのが経済記者の仕事になったとは、マスコミの使命も
経済誌の予想も薄っぺらくなったものです。
アマゾンでも
App Storeでもいいのですが、これはプロの記者が、
見たこともさわったこともないけど、星1つです (^^)ニコ
並のバカげた持論を貴重な資源を無駄にして述べているようなものです。
いまどきの小学生でも、もっとまともなレビューを書くでしょう。
レトロフューチャー~この時代遅れ記者の語る「未来」は現代では「ずいぶん過去」
発売は今年の年末商戦。ソニーにとってはプレステ3以来、7年ぶりの据え置きゲーム機だ。しかし、これまでとは異なり、そこにソニー独自開発の半導体技術を埋め込んだわけではない。中核半導体にはインテル互換チップで知られる米AMD製のx86半導体を用いる予定で、いわば「ハイスペックのパソコン」に過ぎない。
ソニーはすでに半導体製造事業を縮小している。独自開発するような資金的な余裕もない。外販チップを購入して作るしか道はないことは重々、わかってはいた。しかし、こうして正式に発表になったことで、ソニーは「未来を先取りする会社」ではなくなったことを、あらためて実感した人も多いだろう。
ソース:東洋経済オンライン
いまは本当に21世紀なのでしょうか?
この記事が書かれたのは2013年03月21日です。タイムスリップした感覚を味わったのは私だけではないでしょう。
半導体を製造しない=「未来を先取りする会社」ではなくなった
なんて感じる人が、
多いだろうといっているのです。
90年代でしょうか?
逆にいま、未来を先取りする会社が、
半導体を製造するでしょうか?
ぜったいにしません。
ARMに対して、あの
インテルでさえ時代遅れだと感じている人の方が多いでしょう。
これこそが未来!
記事をお読みいただければわかりますが、この山田俊浩氏が語っている「未来」は90年代に誰もが思い描いた、実現しなかった未来の話です。
つまり、
透明のチューブのなかを疾走する空飛ぶ自動車の開発を諦めて、ハイブリッド車や電気自動車を開発するトヨタは「未来を先取りする会社」ではなくなったと感じる人も多いだろう
といっているのと、なんら変わりません。
この記者が90年代に自分が思い描いた未来に
ソニーが向かっていないことに対して、個人的な難癖をつけていることは、
PCエンジンは先駆的だったなどと実現しなかった架空の世界の話ばかりしていることでも明らかです。
それに「発売は今年の年末商戦」って、これはどこからの情報なんでしょうか?
この記者さんは、自分の思い込みを事実として公表してしまう時点で、マスコミ人として致命的に危険です。
「?」もなく「と予想されている」でもなく「といわれている」でもないなんて、最近のマスコミは雑すぎます。
「ハイスペック」のパソコンに「過ぎない」って日本語なんですか?
「ハイスペックに過ぎない」って、なに?
やはりこの記者は国語が下手です。
どう考えてもハイスペックなのはいいことです。
それをいうなら、この記事で持ち上げている
スマートフォンのゲームですが、
スマートフォンなんて「低スペックのパソコンに過ぎない」わけです。
でも売れています。
テレビだって「パソコンの機能の一部に特化した商品に過ぎない」と言い換えることも出来ます。
低スペックなパソコンならともかく、ハイスペックなパソコンなんですから、そこで実現出来る機能は
スマートフォンとは比較になりません。
さらに
PS4は、ただのハイスペックなパソコンではありません。
私はおそらくPCゲームをかなりプレイしている人間に分類できると思います。
断言しますが、
PS4は「ただのハイスペックなPC」ではありません。
現状のハイスペックPCでは実現できない機能が、わかっているだけでも複数存在します。
スマートフォンのゲームがヒットしているのはカジュアルだからだ、という決定的な誤解
専用コントローラー
そのほか、富士通、パナソニック、日本ビクター(現JVCケンウッド)などが、それぞれ独自ゲーム機、互換ゲーム機に乗り出した時期がある。こうした百家争鳴、栄枯盛衰の中で、ずっと業界のリーダーであり続けたのが、任天堂だ。その任天堂は現在、スマートフォンで遊べるカジュアルゲームの普及の影響により、苦戦を強いられている。しかし、「遊びやすい専用機」の需要は、今でも確実にある。専用コントローラーやモーションキャプチャーを生かした周辺装置など、専用機ゆえの楽しさをアピールできるかどうかが生き残りの鍵を握っている。
ソース:東洋経済オンライン
典型的な市場を読めていない人の誤解が凝縮された文面です。
スマートフォンにおけるゲームの市場が拡大しているのは、カジュアルだからではありません。
いま
カジュアルゲームがヒットしているのは、事実上
カジュアルゲーム以外
スマートフォンで楽しめないからです。(主に操作性の面で)
カジュアルという要素を除いて、後に残るヒット要因は
「基本無料」と
「ソーシャル」という要素です。
PS4はその両方をとりいれて、
スマートフォンのゲーム体験をアップグレードしようとしているのは明らかです。
その点を無視して、
「遊びやすい専用機」の需要は、今でも確実にある。などと、確実に減少しているパイにしがみつく姿勢こそ「過去」であって、断じて「未来のゲーム」ではありません。
「過去のビジネスモデルに
固執するゲーム機こそ、
次世代ゲーム機のあるべき姿だ」と語るのは矛盾しています。
ビジネスモデルは常に変化しているのです。
ましてや、本体価格を上昇させる1万3千円もコストがかかる「専用コントローラー」にこだわるのは、愚行以外のなにものでもありません。
それにDUALSHOCK4は、どう考えてもゲームライフやプレイフィールを大きく変えるものになると感じるのですが、私にはこの記者のいうことが理解できません。
さらに、
「遊びやすい専用機」の需要は、今でも確実にある。
と指摘しながら、
「PS4はハイスペックなパソコンに過ぎない」と批判するのも矛盾するように思います。
PS4には
Windows8をインストールしセットアップした後、Steamをインストールし契約をしたら、動作要件を確認しながら慎重に自分の
PS4の性能と比較して動作可能と判断した後購入する事~なんていう不思議な機能でも搭載されているのでしょうか?
まあ、それならそれでも個人的には楽しそうですが。
それにしても、「発売前から
PS4は失敗が約束されているから、苦戦を強いられている
任天堂を見習え」とは、自分で書いていておかしな論旨だとは思わなかったのでしょうか。
ハードウェアの「互換」は「抱き合わせ販売」に過ぎない
互換性よりクラウド?
前評判もあまりよくない。特に、プレステ3のディスクとの後方互換性を省くことを明らかにしたことが、ユーザーの反発を招いている。
ソース:東洋経済オンライン
まず、「
後方互換性を省くことを明らかにした」のは誰なのでしょうか?
それはともかく。
互換がないことに対する反発は当然あるでしょうが、これは価格を度外視しています。
かつて
PS3は互換性を確保したために高額になり、まったくヒットしませんでした。(なにより誰もが
PS2を持っていました。私は持っていませんでしたが、
PS3を購入した人で
PS2を持っていなかった人が、何人いるのでしょうか?)
PS3が互換をなくして価格を下げて急速に普及したのは、いうまでもありません。
互換性があるといえば聞こえはいいのですが、「
PS3と
PS4の抱き合わせ販売」と言い換えたときに、それを希望する人がどれほどいるでしょうか?
おそらくほぼいないと思います。言葉の罠です。
「互換あり」というと安く感じる、「抱き合わせ販売」というと高く感じるというだけのことです。
現実には互換を確保すれば、ぜったいに本体価格は高価になります。
記者が互換を押す理由は
「成熟市場において、既存ユーザーをがっかりさせるやり方は、得策ではない。」という誠にふわふわしたものです。
過去の
セガサターン、
PS2、
PS3、
3DS、PS Vita、どれも明らかなのは、値下げすることによってゲーム機は普及するということです。
ゲーム機本体を普及させる上策は、今も昔も本体価格を安くしていくことです。
PS Vitaも
PS4も年々安くしていくことが可能で、そういった意味では(ロンチはともかく)将来的には普及が約束されているようなものです。
クラウドが普及してくれたおかげで、PSユーザーはいまもPS+で毎月多数のゲームを月額500円で遊べています。
新たなゲームが格安でプレイ出来る方が、ユーザーにとっては嬉しいのではないでしょうか。
一応結論らしいことを書いておくと、
「東洋経済、信ずるに足らず」というところでしょうか。
通常、この手の矛盾を抱えた記事は「先に気の利いた結論があって、それを後から補強するために矛盾が生まれる」というケースが多いのですが、この記事に関しては「気の利いた結論」さえ存在しません。
なぜ、こんな記事を書いたのか理解に苦しみます。